VaxilaはOpenTelemetryの仕組み (計装)を利用してデータを送信しています。
このページではPythonのデータをVaxilaに送信する方法を解説します。
Python向けOpenTelemetry
OpenTelemetry には Python用のSDKが用意されています。
このSDKに加えて、DjangoやAWS用のSDKを使用すると、色々な範囲を計装できます。
Collectorを使用するべきか
Vaxilaを使用する場合、SDKからデータを直接Vaxilaに送信するのではなく、Collectorを使うこともできます。
Collectorを使うかどうかを決める際は以下のページを参考にしてください。
導入方法
Pythonには複数のWebフレームワークやサーバーが存在しますが、このページでは Django
と Gunicorn
を使っている場合の導入方法を説明します。 FlaskやFastAPIなど、他のフレームワークを使っている場合もほぼ同じ方法で計装することができます。
以下のステップでVaxilaを導入できます。
1. パッケージ追加
以下のパッケージを使用します。
pip install opentelemetry-api \
opentelemetry-exporter-otlp-proto-http \
opentelemetry-instrumentation-django \
opentelemetry-instrumentation-dbapi \
opentelemetry-sdk
このコマンドでは DjangoとDBを計装をするパッケージをインストールしています。
他にもAWSやJinja、Redis用など色々なライブラリに対応したパッケージがあり、OpenTelemetryのサイトで見つけることができます。
2. 初期設定
OpenTelemetryのデータをVaxilaに送信するためには、以下の項目を設定する必要があります。
例えば、以下のようにすると、SDKから直接Vaxilaに送信することができます。
import os
import socket
import MySQLdb
from opentelemetry import trace
from opentelemetry.exporter.otlp.proto.http import Compression
from opentelemetry.exporter.otlp.proto.http.trace_exporter import OTLPSpanExporter
from opentelemetry.instrumentation.django import DjangoInstrumentor
from opentelemetry.instrumentation.dbapi import trace_integration
from opentelemetry.sdk.resources import Resource
from opentelemetry.sdk.trace import TracerProvider
from opentelemetry.sdk.trace.export import BatchSpanProcessor, ConsoleSpanExporter
from opentelemetry.semconv.resource import ResourceAttributes
def instrument():
tracer_provider = TracerProvider(resource=Resource.create({
ResourceAttributes.SERVICE_NAME: "acme_service",
ResourceAttributes.SERVICE_VERSION: "vX.Y.Z",
ResourceAttributes.DEPLOYMENT_ENVIRONMENT: "production",
ResourceAttributes.HOST_NAME: socket.gethostname(),
ResourceAttributes.PROCESS_PID: os.getpid(),
}))
tracer_provider.add_span_processor(
# デバッグ時にはConsoleSpanExporterが便利
# BatchSpanProcessor(ConsoleSpanExporter())
BatchSpanProcessor(OTLPSpanExporter(
endpoint="https://telemetry.vaxila-labs.com/v1/traces",
headers={
"X-Vaxila-Token": os.environ["VAXILA_TOKEN"],
"Accept": "*/*",
},
compression=Compression.Gzip
))
)
trace.set_tracer_provider(tracer_provider)
DjangoInstrumentor().instrument()
trace_integration(MySQLdb, "connect", "mysql")
この例では次の項目を設定しています。
Resource
TracerProviderのResourceを設定することで、データがどこから来たかわかるようになります。
Endpoint
https://telemetry.vaxila-labs.com/v1/traces
と設定することで、データを直接Vaxilaに送信するようになります。
Collectorを利用する場合は、Collectorのエンドポイント (http://localhost:4318/v1/traces など) を設定してください。
Headers
X-Vaxila-Token
と Accept
のヘッダーを設定することでVaxilaと通信することができます。
X-Vaxila-Token
には、Vaxilaで発行されたトークンを設定してください。
Collectorを利用する場合、ヘッダーは必要ないでしょう。
Compression
データを送信する時にデータの圧縮方法を指定することができます。指定しなかった場合は圧縮されません。
3. Gunicornの設定
Gunicorn
のようにプロセスをフォークして動くサーバーの場合、フォークした後にOpenTelemetryを設定する必要があります。
そのため、 gunicorn.conf.py
などGunicornの設定ファイルで先ほど作成した関数を呼び出します。
def post_fork(server, worker):
instrument()
uWSGI
を使っている場合は @postfork
の中で呼び出します。
@postfork
def init_tracing():
instrument()
ちなみに、Djangoのmanage.py
を使用している場合は main
の中で呼び出せば十分です。
def main():
"""Run administrative tasks."""
os.environ.setdefault('DJANGO_SETTINGS_MODULE', 'message.settings')
# ↓の行を追加
instrument()
try:
from django.core.management import execute_from_command_line
...
4. 独自の計装の追加 (任意)
独自の計装を追加することで、任意の範囲を計装することができます。
計装によって、変数の値や処理時間を記録することが出来るようになります。
具体的には、下のように start_as_current_span
を使うと計装が追加できます。
tracer = trace.get_tracer("my.tracer.name")
def awesome_action(id: int):
with tracer.start_as_current_span("awesome_action") as span:
span.set_attribute("id", id)
# ... 既存の処理
計装の方法は他にも用意されています。詳細はOpenTelemetryのドキュメントを参照してください。